World Cupの熱気もそろそろ冷めるかなあと感じていたら、あっという間の夏の到来です。ここ日本BPW連合会事務局も、少しずつ熱くなっています。
メルボルン・コングレス準備委員会が発足してから半年が過ぎ、苫小牧大会で、全国の会員のみなさまにコングレスへの協力や参加を呼びかけたまま、詳しい情報提供ができないでいましたが、ここに来て、次々に国際連合会事務局からの連絡が入り、あわてています。
さて、今回のコングレスのテーマは「平和な世界 A World of Peace」です。
昨年9月11日以来、平和の問題に世界中が敏感になっているのでしょうか。というより「世界の平和」を考えるのではなく、大国が自国のプライドを保ち、その支配力を強くするための動きに見えるのは、なぜでしょうか。
世界中の100以上の地域で起こっている紛争は東西対立・冷戦の崩壊後の1990年以降、国と国の対立がなくなったことによって、それまで抑制されていたあらゆる問題が噴き出して、それまでも不安定だった開発途上国において発生し、今も続いています。そのうち、テロ集団・ゲリラ組織が強く関与していた紛争は、9.11以来、組織への資金・武器の調達が難しく、幸か不幸か紛争解決へ向きかけている地域もあります。
「自分たちの国は平和だ」と感じられるためには、どんなことが必要なのだろうかと、そして私たちには何ができるのだろうかと、最近つくづく思います。昨年「国境なき医師団」の活動でスリランカ生活をした4ヶ月間、銃を持った兵士たちを日常的に目にする毎日で、確かに「平和な日々」は遠い感じはしました。戦争の恐怖から50年以上が経過した国で、平和に鈍感になってしまい、平和のための働きかけを忘れた人が増えたようにも感じます。ただ、紛争に巻き込まれる危機、そのための死や貧困と隣り合わせの日を送るスリランカの人が、幸せでなかったかというとそうではない。将来の可能性を信じて、勉強に励む幼い子どもたちの輝く目は生き生きとして、日本の子どもたちが失ったものだったように思う。
人が平和と感じる世界とは、そこに住む人々が、富める国でも貧しい国でも、女性でも男性でも、子どもも高齢者も、健常者も障害者も、多数派ではない少数グループの人も、それぞれの人権が認められ、個々の自立の可能性が保証されることだと思います。そのような社会をつくるためには、人々が、人権を侵害し、平和を壊す可能性のある人物や制度などに対して、的確な意見をもち、それを外に発信し、同じ意見をもつ人が連帯できることでしょう。かつては、あるいは紛争の続いている地域では、このようなことが女性に持たされなかったために、戦争や紛争の犠牲者はいつも女性や子どもであったと思います。このような観点をもつことが、平和につながっていくのではないでしょうか。日本でも私たち女性がその社会の状況を正しく評価し、間違った方向へいきそうな場合には的確な手段を持って方向修正ができる力をもつことが重要だと思います。
メルボルン・コングレスでの討議を待つ決議案11のうち、半数以上の6つがこのような戦争・紛争・災害や政治危機、それに由来する貧困のために引き起こる女性への人権侵害への提議です。その視線は、アフガニスタンの女性、ジンバブエの女性、戦争・紛争・災害時に様々な形の暴力の犠牲になる女性、貧困層女性・少女の性的奴隷・人身売買、政治的危機の中の女性の健康問題などに関するBPWの積極的活動が期待されています。
残念ながら、コングレス決議案提出の〆切後に、カナダのある一クラブが前回バンクーバー・コングレスで出された「日本政府の従軍慰安婦への対応」をもう一度問題視したいと申し出たために、出村会長を中心にカナダのメンバーとの接触を始めたところです。日本の女性が、国際的な討議の場でどう発言するかが、試されているのかも知れません。全国のより多くの会員に、コングレスに出席していただき、その試練や期待を感じていただきたいと思います。また、仕事や家庭の事情で参加できない会員の方々も、決議案や規約改正案の各クラブでの賛否の決議に関わって、大いに参加メンバーをバックアップして下さい。
自分たちの暮らす社会を変え、幸せに感じる人を増やし、そして、平和につなげるのは私たち女性、BPW Japanの会員に課せられた任務のようにも思います。(日本BPW連合会副会長 黒ア伸子)